マイカーの後部座席のドアは、いわゆるパワースライドで、力が要らない。
母には好都合。
と思いきや、なかなか慣れない。
「車のドアは自力で開けるもの」と思っている。
そもそも免許を持っていないこともあり、車には滅法疎いのだが、それにしてもなかなかのガラパゴスである。
これは今に始まったことではなく(病気とは関係なく)、母の半分は固定観念で出来ている。
“ 押す ” という固定観念がある場合、引こうとしない。
極端な話、引いたら地球が滅亡すると思っている。笑
引くことに臆病とも言える。
この感覚は母に聞いたわけではない。
でもわかる。
なぜなら、この性格は僕も受け継いでいるからだ。
ただ、僕の場合、これまでの紆余曲折のより矯正されている。
今となっては、押してダメなら、引くし、揺らすし、声を掛ける。
僕は固定観念があっても、それに縛られたくない気持ちがどこかにあったから矯正できたと思うが、老年と言われる年齢まで、固定観念や限られた情報の中で生きてきたのであれば、無理に世界を広げることなく、その範囲で生活した方が幸せなのかもしれない。
と、思ったり。
でも、パワースライドドアには慣れてもらう。