足元に素早い何かがいる。

 

静止したのでよくよく見てみると、尻尾の部分が玉虫色。

 

「な、なんだこの生き物は!?」

 

と、思ったと同時に、

 

「ヤバい、新種を見つけてしまった!」

「もしくは神の化身か!?」

「いずれにしろ、世紀の大発見だ!!」

 

と、思い、

 

「もう少し大人しくしといてくれよ〜」

 

と、カメラを近づけてパシャリ。

その音に反応して、どこかに消えた。

 

でも、カメラに収めることに成功!

 

帰宅して、興奮気味に、妻にその写真を見せる。

 

すると、

 

「あ、それ、トカゲの幼体」

 

「・・・」

 

妻はシートン並みに動物に詳しいが、だから知ってるわけではなく、そこまで珍しくないらしい。

 

無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり…

 

このソクラテスの言葉が頭を駆け巡った。

SHARE THIS