先日の東京出張で、ひさしぶりに錦糸町に行った。
人生の迷子になっていた時期によく行っていたところで、あまりいい思い出がない。
錦糸町で呼吸をした時、その思い出が、ふっと蘇るから不思議だ。
懐かしさが前頭葉の辺りを過ぎ去った。
それが嫌な感じではなかったのも発見。
きっといつの間にか昇華されたのだろう。
ただ、錦糸町で食べログ評価が一番高かったラーメンが全く好みではなかったのは残念だった。
いずれにしろ、相変わらずのいかがわしい街で、パトカーも多く見かけた。
でも、語弊を恐れずに言えば、僕はそういう街が好きである。歌舞伎町も六本木も。
常宿も六本木だし。
欲望に忠実な人たちがたくさんいて、歩いているだけで元気をもらえる。
それに加え、漂っているヒリヒリした空気感により、地方で暮らすと鈍りがちな防衛本能と嗅覚に磨きがかかる。
365日中300日はそういう街にいた時代もあるが、それはもう勘弁。
いろいろ麻痺して、人相が変わる。
たまに行くからいいと思うようになったのは、成長なのか老いなのか。
どちらでもいいが、“諦め”にはしたくない。