最初に書いておくと、今回のブログは野球を知らない人を置いてきぼりにする可能性有り。
さて、佐々木朗希投手の完全試合は凄まじい。名だたる名投手が過去に達成された完全試合と比べものにならないくらいに。
こういうことを成し遂げるには運も大事だけど、運も実力のうちだし、そもそも実力がなければ運を掴めない。
じっくりと育てたロッテと、女房役の松川捕手も賞賛に値する。また、「彼の未来のために」と、甲子園がかかった決勝戦で登板をさせなかった大船渡高校の監督さんも。
そんな佐々木投手の歴史的大偉業に触れ、思い出したことがある。
僕は高校時代に完全試合を阻止したことがあるのだ。
中途半端な高校球児だった僕は、2年生の秋に硬式野球部をやめた。そして、部員が足りずに大会に出れない危機に瀕していたソフトボール部の助っ人になった。
そこでの話である。
部員が足りないくらいなので当然弱い。
が、一回戦は強豪。
負けることはわかっているが、とりあえず試合に出たいということで声が掛かった。
（中略）
試合が始まった。相手投手の豪速球に手も足も出ない。
三振の山。塁に出ることすらできない。
まさに昨日の佐々木投手がマウンドにいて、曲がりなりにも高校球児だった僕のプライドに火をつけた。
声をかけてくれた稲葉（高校時代の数少ない友達の一人）への恩義に報いるにはバットに当てること、いや、ヒットを打つことだと思い、打ち方を変えることで対抗した。
よく見る構えはこうだと思う。
バットを立てている。
これをこうした。
バットを寝かせて少しでも早くバットが出るようにした。これをレベルスイングを言う。
遠心力が無くなる分、長打は期待できないがバットに当てる確率は高まる。写真は長く持っているが、その時は短く持って、とにかく当てることに集中した。もっと極端に寝かせていた記憶がある。
球威があるので芯で当てることさえできれば強い打球になり、外野まで転がると踏んだのだ。
この作戦が奏功し、見事センター返し！
ヒットは結局この1本だけで敗戦したが、完全試合は阻止できた。
転んでもタダでは起きない、ひいては目的を果たすためには手段を選ばない、はたまた狙った獲物は逃さない性格はその頃から変わっていない。
ちなみに、バットを持った写真、白髪のように見えるかもしれませんが染髪です。
もう一つちなみに、上記の稲葉は「ソフトボールやらない？」と声をかけてくれた友人であると共に、高校時代、一時期ひとりぼっちだった時に声をかけてくれた友人でもある。他に信介と志民がいる。
その時のこと、僕は一生忘れない。
みんなどこで何してるかわからないけど、どうか元気でありますように。