まず、誰しも〝自分の〟人生の主人公だということと、僕も35歳くらいまでこの症状があったという2つを前提にする。
調べると「主人公症候群」という言葉はすでにあるが、ここで言うのは僕の思いつきからのもので正確なそれとは限らない(これも前提だね)。
別な表現をすれば、スーパースター症候群、または自分中心に世界が回っていると思っている症候群、かな。
繰り返すが、誰しも〝自分の〟人生の主人公なので、そういった意味では自分が中心にいてもいいと思うが、〝自分の〟と強調しているように誰かの中心に自分、つまり僕も君もいない。
でも、自分以外の誰かの中心にも自分がいると思っている人は意外といて、そういった人を僕は心の中で「主人公症候群」と呼んでいる。
具体的な症状としては、そう思いたい気持ちはわかるが、そう思いたいがゆえに盲目、あるいは聞く耳を持たなくなり、言動や行動が独り善がりになる。常に自分を正当化するとも言える。
自分もそうだったからこそ、そういう状態の人がよくわかる。自分がうまくいっていないのは周り(世の中)が悪いと思っちゃうくらいになると末期。
できることなら治してあげたいが、主人公ゆえにサブキャラの言うことは聞かない。
じゃあ僕はどのようにして治したか?
本物の主人公(誰かの主人公にもなり得る人)とたくさん会い、「あ、勝てない」「この人のサブキャラにならなれる」と、次々と思い知ることにより治った。僕の場合、〝たくさん〟というのがポイントで、1人、2人なら「自分も…」と思っていたに違いない。
ただ、筋金入りの主人公症候群は自分が本物だと思って疑わない。そうなったら末期どころか付ける薬がない。
結果、本当にそうなる人もいるかもしれないが、往々にして本物は、たくさんの誰かの支えにより知らず知らずのうちになっている。そして自覚をすることにより磨きがかかり、一握りの存在に近づいていく。
まとめると、お世辞抜きに誰かから「あなたはこんなもんじゃない」と言われたらそうなのかもしれないけど、自分でそう思っていたらこんなもんだと思った方がいい、ということ。